夢を現実に。最高のパーティーを共有するために。

「サーフィンしたりキャンプしたり、日本中の景色をゆっくり見ながら旅をして色んなロケーションでDJしたい」オーナーであるDJ JUNのそんな漠然とした夢から誕生した企画がこのTrailer Disco Project -PANORAMA-である。現在は生まれ育った岡山に拠点を置き、全国各地の様々なイベントで活躍している。庭に作業部屋としてコンテナハウスを設置しようと計画していた際「コンテナがそのまま移動できればどこでもPARTYが出来る」と思いつき、「それならコンテナではなくトレーラーを改造して移動式ディスコを作ろう!」と発想を転換させた事がTrailer Disco Projectの始まりである。構想からすぐに牽引免許を取得。そして、青春時代からの夢だったアメリカンキャンピングトレーラーの代名詞的存在でもあるエアストリーム(1964年式LANDYACHT)を購入し、仲間内でフルレストアして完成させたものがこの”PANORAMA”だ。24f(全長訳7メートル)エアストリームのサイドにある大きな開口部が開くと、アナログから最新デジタル機材までびっしり網羅されたDJブースが出現する。幅2.7メートルにも及ぶそのDJブースはDJが2人並んでプレイしても十分余裕があり、そのブースからの景色はまさに”PANORAMA”だ。

世の中の価値観が「モノよりコト」へシフトしている昨今、音楽フェスやアウトドアイベントに限らず、スポーツイベントやマルシェ、各種ポップアップショップにウェディングなど、年々野外でのイベントや催しの幅は広がり続けており、その中でDJの活躍を目にする事も決して珍しいものではなくなってきている。というよりも、空間を音でコーディネートするDJという存在はあらゆる催事において必須になりつつある。しかし、何もない野外にそれなりのパフォーマンススペースを設ける事は容易ではない。殆どの場合が前日、もしくは前々日から現地入りをし、舞台屋にステージや照明を設営・装飾してもらい、音響とDJ機材のレンタル・設置とオペレーションは機材屋に依頼することとなる。また、それに伴う警備やスタッフも確保しなければならない。凝れば凝るほど費用と時間はかさむばかりである。ところがこのPANORAMAはトレーラー自体がDJブース。つまりDJをする為に必要なそれら全てのEquipmentを兼ね揃え、電源さえ確保できればどこでもPARTYが出来る"走るDJブース"なのだ。特筆すべき点は、PANORAMAを牽引するドライバー自身がオペレーターであり、自身もこれまでに多くのイベントを企画・主催してきたDJであるため、野外イベントを円滑に進める為に必要なポイント、トラブル回避は熟知しているということ。PANORAMAを使えば会場に到着してからスピーカー等の音響機材の設置や、イベント開始までに必要な諸々の準備が、ものの1時間もあれば完了するということである。また”銀の幌馬車”とも形容される、エアストリーム特有のモダンで美しいディテールはどんな絶景にも違和感なく溶け込む。そしてPANORAMAを語るうえで最も重要であり、拘った部分がそのサウンドシステムだ。「普通に良い音が鳴るだけでなく、どこへ行っても自慢できるクオリティとクリアで迫力のある音が鳴ること」そして「一人でも短時間で設置が出来て、綺麗にトレーラーの中に収納出来るほどコンパクトであること」この2点の難題をクリアするサウンドシステムに出会うきっかけは意外とあっさり訪れた。

最高のサウンドが織り成すPANORAMAのこだわり

友人が主催するイベントを通して「THE NORTH FACE STANDARD」や星野リゾートトマムのゲレンデオフィス「MOUNTAIN GEAR STAND」、最近では衣類や生活雑貨を取り揃えた函館の複合ショップ「South Cedar DRIVE INN」等のプロデュースはじめ、様々な分野で活躍する小口大介氏と出会い、そこから紹介を受けたのが、WHITELIGHT代表の牟田口景氏である。牟田口氏は日本有数のスピーカーメーカーである田口音響研究所で「セレンディピティ・シリーズ」を開発した張本人。度々、新木場にある田口音響研究所を訪れ、密なミーティングを経て誕生したのが、今回PANORAMAに搭載されたTaguchi製のサウンドシステムだ。(※詳しくはEquipmentページ参照)更にパワーアンプやケーブル類のチョイスは、岡山の同胞でもあるCAELWORKSに相談をし、シンプルな設定でもどこまでもスピーカーを追い込めるもの選んだ。また「ゆっくり旅をしながら」というキーワードにおいて、就寝スペースの確保も必須項目の1つであった。外にテントを張って寝たり、トレーラーにベッドを設ける事も可能だが、普段は共演DJや関係者がくつろげるソファースペースも欲しいと考え、その構想を伝えデザインと施工を依頼したのが岡山に拠点を置き、今や全国でも多くのファンを持つELD INTERIORPRODUCT。アールに沿った特注のコの字型ローソファは、普段は大人4人がゆったり談笑できるスペースから、就寝時には両手両足を広げてゆったり睡眠できるダブルベッドにも早変わりする。もちろん室内には冷暖房も完備されているので、季節問わず快適に過ごす事が可能だ。

しかし、これだけ欲しい環境を妥協せず満載したトレーラーは、エンジンがないとはいえ総重量約1.5tにも及ぶ。重量のあるアメリカのトレーラーは排気量の大きなアメ車で牽引するのが正解、ということは重々承知していたが、いかにもな組み合わせで牽引する気はなく、丸みを帯びたエアストリームと正反対な角張ったフォルムと、エアストリームと同じくアルミをリベットで張り合わせた無骨なボディが特徴的な、ランドローバー/ディフェンダー110を選んだ。マニュアル、ディーゼル、エンジン音もうるさく、小回りは効かない。はっきり言って乗り心地も最悪。当然、故障が多いということも覚悟のうえだ。しかし、これほど愛着が湧き、エアストリームとの(見た目の)相性が良い車は他にはあまり無い。連結時の全長は約12メートルにもなる為、バック時は特に高度な運転技術と経験値も要求される。もっと小さくて軽量、ハイスペックなトレーラーは今の時代多く存在する。しかし、そこにこじんまりとしたDJブースを作っても存在感や迫力に欠けるし、道中ゆっくりくつろいだり落ち着いて日常の作業をするスペースが確保できないのは、ライフスタイルと直結しない。そういった要素を1つ1つ考慮し選んだものが、24フィートという長さのエアストリームだった。現に当初購入予定だった22フィートの現物を見た際に「これでは少し小さいな」と感じ、24フィートに変更したというほど拘って選んだものがこのサイズ感なのだ。1964年式のヴィンテージトレーラーに、ディフェンダーという前時代的なヘッド車。一見レトロな組み合わせだが、どちらにも共通している点は、アップデートはされても、発売当初からそのディテールが大きく変化していないという事。”新しい技術やテクノロジーはどんどん取り入れるべきだが、本当に良いものには変わらない理由があり、ブレないスタイルがある”。この思考こそがオーナーであるDJ JUNの目指すDJスタイルの根底にあり、クリエイティブで温故知新な選曲にも反映されている理由である。膨大な数の音楽が入ったUSBメモリーをポケットに突っ込んで、飛行機で快適かつ短時間で現地に出向きDJをする。そんな便利な時代において、わざわざ重いトレーラーを引っ張って、流れる景色をゆっくり楽しみ、ときには寄り道しながら目的地を目指す。それも1つのスタイルだ。音響屋でも舞台屋でもない、ましてやトレーラー専門店でもない。多くの出会いや再会、仲間達の協力があってこそ完成したものがこのPANORAMAであり、DJが音を届ける為に必要な全てのモノを詰め込み、自らハンドルを握り旅をする。それがTrailer Disco Projectの企画趣旨なのである。

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